今、単なるラグジュアリーではない、その土地ならではのスペシャルな体験を前面に押し出すホテルが増えてきている。旅の楽しみ方に、新たな潮流を感じる。
その土地ならではの体験を"ネイバーフッドストーリー"と題し、文化人たちに愛された箱根の魅力を伝える。その流儀が、今回インターコンチネンタルホテルズグループが箱根に作った〈ホテルインディゴ〉ブランド。それはたとえば、寄木細工で伝統職人気分を味わうワークショップや、明治時代の箱根の銭湯にタイムスリップしたかのような、四季折々を投影した温泉デジタルアートの大浴場などに表現されている。水着で入る浴場の中央にはベンチやラウンドカウチを置き、立ち湯やジェットバスの寝湯など、多彩な湯が楽しめる。ロビーをはじめ、館内は寄木細工や浮世絵のコンテンポラリーアートにあふれ、まさに"泊まれるアート"に。
98の客室は約8割がリバーサイドで、プライベート屋外露天風呂付き。創業100年の地元の写真館のモノクロ写真が目に楽しい。ちなみに、ベッドのヘッドボードにはユニークなモチーフが紛れている。そんなこだわりも面白い。
ADDRESS | 神奈川県足柄下郡箱根町木賀924-1 |
PHONE | IHG・ANAコールセンター 0120-056-658 |
WEB-SITE | https://hakonegora.hotelindigo.com/ |
個性ある独立系ホテルのコレクションライン〈オートグラフ コレクション〉に加盟。再開発で注目を集める浜松町駅周辺の複合施設〈ウォーターズ竹芝〉のタワー棟に4月27日開業。眼下には浜離宮の緑とウォーターフロントを望み、東京の喧噪を忘れさせる。一方で、羽田や銀座に好アクセスな立地。265の客室は、ラグジュアリーな中に現代的に再解釈した"和"をブレンド。タブレットやインターネットテレビ、電子ピアノも各部屋に用意。〈バルクオム〉や〈猿田彦珈琲〉とのコラボも話題になりそう。
ADDRESS | 東京都港区海岸1-10-30 |
PHONE | 03-5777-1111 |
WEB-SITE | https://www.mesm.jp/ |
エッジがきいたデザインで知られる〈エースホテル〉。2020年4月16日にソフトオープンするここは、アジア初のプロパティ。"イースト・ミーツ・ウエスト"をコンセプトに、京都を中心とした日本と海外のクリエイターらの、文化を尊重したコラボ作品が並ぶ。場所は1926年建造の旧京都中央電話局を一部改修した棟に、新棟を加えた"新風館"内。213の客室には、ホテルブランドのキーともいえる"音楽"を象徴するターンテーブルやギターを置き、オリジナルの家具やアートで心地よい気分にしてくれる。
ADDRESS | 京都府京都市中京区姉小路通東洞院西入車屋町245-2 |
PHONE | 075-229-9001 |
WEB-SITE | https://www.acehotel.com/kyoto/ |
文=古関千恵子
2020-04-15