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BED ON BOARD

空の上に想像を超える
ベッドルームがあります。


各社がアイデアを競うかのようなファートクラスのシート。今回は就寝時の仕様に注目した。もはや、“ベッドルーム”と呼びたくなるほど快適だ。


シートを倒せばフルフラットになるし、空路の移動はビジネスクラスで十分、と思っていないだろうか。ならば声を大にして言いたい、「それは全然違う」と。ロングフライトならなおさら、ファーストクラスを選択肢に入れてほしい。

いまや、就寝時のファーストクラスのシートは、まさに空の上の“ベッドルーム”と言っても過言ではない。プライバシーも寝具の快適性もこれまでより格段にアップしている。目的地に旅の疲れを残さずに降り立つことができるのだ。

たとえば、天井まであるドアを付けた完全個室の〈エミレーツ航空〉、カーテンで安らぎを約束してくれる〈エールフランス航空〉、窓を背にして寝られる〈シンガポール航空〉などなど。隣の席と繋げることができるシートも増えてきた。

ファーストクラスでは、好きな時間にCAさんが丁寧にベッドメイクをしてくれる。目的地の時間に合わせた時差調整も万全だ。隣の搭乗客が起きていても、照明が工夫されているので、ほとんど気にならないレベルとなっている。

そして、各社とも、寝具を一流寝具メーカーや高級ホテルとコラボしたり、機内用ウエアを高級アパレルブランドとコラボしたり。それらのクオリティの高さは、五ツ星ホテルの客室そのものだ。

機内で配られるアメニティポーチには、男性用と女性用の2種類があり、それぞれに高級コスメブランドのスキンケア製品やグルーミングセットが入っている。

もちろん、スーツを着ていても、ハイヒールを履いていても、手ぶらで搭乗してOK。心地よい眠りのためのすべては、機内に揃っているのだから。



EMIRATES

[エミレーツ航空]

すべてのシートに窓がある
世界初のシート。


ドイツの〈メルセデス・ベンツ〉とコラボしてデザインされた“ゲームチェンジャー”は、エミレーツ航空の2種類の“スイート”のうちの最新型。最大の特徴は、開閉式のドアが天井まであり、プライバシーが確保された完全個室となること。配置は1−1−1が2列で、すべてのシートに窓がある。中央のシートの窓はモニターが埋めこまれていて、なんと外の風景がリアルタイムで映し出されるという、世界初の仕様だ。

 

  • 天井や壁の照明は7色から好きな色を選ぶことができる。ミニバーは各シート内に備えられているが、“ドンペリ”はCAさんにお願いしよう。

 

 


AIR FRANCE

[エールフランス航空]

カーテンで仕切られたシートは
自宅のベッドルームのような心地よさ。


通路との仕切りは柔らかなカーテン、枕元にはテーブルランプが置かれ、機内であることを忘れてしまいそうなデザインの“ラ・プルミエール”。カーテンを閉めていれば、CAさんは緊急時を除いて声をかけることはない。羽根枕、羽根布団、マットなどの寝具は、フランスのホテルチェーン・ソフィテルが特許を持つ“Sofitel My Bed”。1−1が2列の4席のみ。その名のとおり、限られた人しか乗ることができないプレミアムなシートだ。

 

  • ベッドの長さは200㎝超の特大サイズ。淡いグレーが基調で深紅の毛布が差し色になっているのはファッションの国ならでは

 

 


CATHAY PACIFIC AIRWAYS

[キャセイパシフィック航空]

業界最大級幅の特大シートで
のびのびと寝返り。


シート幅約91㎝という特大サイズのベッドになる“プライベートスイート”は、1−1−1という並び。通路側にドアはないが、中央のシートの左の通路側に仕切りがあってプライバシーが確保されている。機内用ウエアは香港ブランド〈PYE〉とのコラボで、種子の研究と栽培に15年以上を費やした高品質のコットンを使用。寝具も英国発ブランドである〈バンフォード〉の600スレッドカウントの高密度コットンの掛け布団など、上質な睡眠のための肌触りを重視している。

 

  • ライトグレーのシートは天然皮革製。各シートにランの生花の一輪挿しが飾られている

 

 


SINGAPORE AIRLINES

[シンガポール航空]

窓を背にして2席を繋げた
画期的ダブルベッド。


シンガポール航空は、ビジネスクラスの上に数種類の“ファーストクラス”を持つ。そのうち、A380R型機の最新の“スイート”は、1−1の並びが3列の6席。それぞれの座席にはシートとは別にベッドがある。また、前方2席のベッドは、なんと進行方向に向かって横向きで、前後のシートの仕切りを外せばダブルベッドになるのだ。従来の“スイート”は中央のシートを繋げるスタイルだったが、新型では窓側のダブルベッドを実現させた。

 

  • ダブルベッドの両隣にあるシートは、離着陸時には進行方向に回転させて座るという仕様。寝具はフランスのラリック社製で、同社の刺繍が施されている

 

 


ETIHAD AIRWAYS

[エティハド航空]

ベッドを収納可能にすることで
スペースを広々使ったシート。


3室で構成された世界で最も豪華な“ザ・レジデンス”で知られるエティハド航空。今回ご紹介したいのはファーストクラスに相当する“ファーストアパートメント”だ。通路側にドアが付いたこのシートは、1−1で並んだ横長の占有スペースが特徴。ソファのようなシートとは別に、テレビの下に収納されているベッドを倒すようになっている。前後に隣り合わせたシートのパーテーションを降ろすとベッドの一部が繋がる仕組み。

 

  • ベッドの角度は進行方向に向かって横向き。通路側を頭にすることで、隣のシートと半ダブルベッドにできる

 

 


QATAR AIRWAYS

[カタール航空]

ビジネスクラスでも
ダブルベッドが出現!


ビジネスクラスではじめてダブルベッド仕様を導入したのがカタール航空の“Qスイート”。進行方向と逆方向のシートが互い違いに配置されていて、パーテーションを降ろすと、4席で同時に向かい合うことができる。半個室になるドアも付いていて、ビジネスミーティングや家族連れに好評だが、このシート、ダブルベッドにすることもできるのだ。本文でファーストクラスを強く推奨したものの、このシートに限っては例外的におすすめしたい。

 

  • ビジネスクラスでは珍しく、機内ウエアも用意。イギリスの〈ザ・ホワイト・カンパニー〉の上質なコットン製だ

 

 


JAL

[日本航空]

木目調が特徴の
温かみのあるインテリア。


ボックス型の“JALスイート”は、ダークブラウンを基調として木目調をあしらい、高級感と温かみを兼ね備えたインテリアとなっている。ベッドの際に使用するマットは、表と裏とで硬さが違う特別仕様の“エアウィーヴDUAL MODE”。好みの硬さをリクエストできる。枕は“エアウィーヴピローS-LINE”で、横向きに寝ても首や肩に負担をかけないスグレモノだ。機内ウエアはオーガニックコットン100%で肌触りがいい。

 

  • テーブルや収納ボックスは木目調で統一。温もりを感じられるインテリアだ

  • 〈エアウィーヴ〉のマットと枕がカラダをしっかり支えて極上の眠りに導いてくれる

 

 


ANA

[全日本空輸]

新型シートのデザインは
建築家・隈研吾氏監修。


2019年8月に導入が開始された“THE Suite”は、建築家・隈研吾氏の監修。日系航空会社ではじめてドアを付けた個室型となり、随所に“和”のエッセンスが取り入れられている。シートには西川と共同開発した特殊立体構造ウレタンが内蔵され、掛け布団は西川独自の加工で保温力を向上させた羽毛布団、毛布はカシミヤとオーガニックコットンを併用した柔らかい〈テネリータ〉製、枕にはハンガリー産ホワイトダックダウンを使用。ちなみに、機内ウエアはオーガニックコットン100%だ。

 

  • 新型の“THE Suite”はA380型機に導入。今年3月現在、ニューヨークやロンドンなど一部の路線に就航。順次路線が増える予定

  • 従来の“ANA FIRST SQUARE”は、イスの状態では深いブルーが基調で、ベッドにすると淡い木目調のシェルが現れる

 

 



[INQUIRY]


エミレーツ航空www.emirates.com
エールフランス航空www.airfrance.co.jp
キャセイパシフィック航空www.cathaypacific.co.jp
シンガポール航空www.singaporeair.com
エティハド航空www.etihad.com
カタール航空www.qatarairways.com
JALwww.jal.co.jp
ANAwww.ana.co.jp

文=たかせ藍沙

2020-03-13