常に進化を続けている航空機。低燃費化が進んで飛行時間が長くなり、客室キャビンの居住性も飛躍的に向上している。日本に就航したて、これから就航するビジネス、ファーストクラスの最新シートをご紹介しよう。
今年最も注目したいのはANA。B777-300ER型機の長距離国際線キャビン全クラスのデザインを、約10年ぶりにリニューアルしたのだ。客室デザインは、東京オリンピックのスタジアムも手掛けた建築家の隈研吾が総合監修し、イギリスのアキュメン社が手掛けた。
ファーストクラスの“THE Suite”と、ビジネスクラスの“THE Room”には引き戸が備えられ、閉めると個室になる。新シートの最大の特徴は、“THE Room”のシートの向き。進行方向と逆向きのシートを交互に配置することにより、世界最大級のシート幅を実現したのだ。そして、読書や食事などの各シーンに合わせた照明など、随所に最新の技術が使われている。8月の羽田―ロンドン便を皮切りに、ニューヨーク便、フランクフルト便に順次導入される。
[全日本空輸]
[スイス インターナショナル エアラインズ]
スイス インターナショナル エアラインズは、新型シートは2019年3月から順次導入されている。ファーストクラスとしては珍しかった開放感のあるタイプのシートからリニューアル。ドアこそないものの、大型の間仕切りがついたのでプライベート感がアップした。同様に、ビジネスクラスにも隣席との間仕切りが設けられている。
[ターキッシュ エアラインズ]
ターキッシュ エアラインズの新しいビジネスクラスは、2クラスで運航する航空会社ならではのクオリティの高さ。機内照明は、トルコ中央部カッパドキア地方の色あざやかな夕焼けと、のどかで美しいターコイズブルーの海辺からインスピレーションを得たという。
[カタール航空]
カタール航空のビジネスクラス“Qsuite”のユニークな特徴は、中央の2席をダブルベッドに、4席を使うとボックスシートにできるということ。通路側のドアを閉めれば、ビジネスミーティングも、家族の団らんも、誰にも邪魔されることはない。
JALは9月から、羽田−福岡便に新シートを搭載した最新鋭のA350-900型機を導入。ファーストクラスは、黒を基調とした重厚感のあるデザインとなった。ANAは11月から、羽田−福岡便などで新型シートを搭載したB777-200型機を導入する。新しくなったシートには、全クラスに個人モニターが備えられた。2社とも順次新シート導入路線を増やしていく予定になっている。
ANA | http://www.ana.co.jp |
JAL | http://www.jal.co.jp |
スイス インターナショナル エアラインズ | www.swiss.com |
ターキッシュ エアラインズ | http://www.turkishairlines.com |
カタール航空 | http://www.qatarairways.com |
文=たかせ藍沙
2019-09-13