建築家とファッションデザイナーはひらめきのポイントが違うようだ。洋服やジュエリーのような華やかさが、今までの高級ホテルとは違う至福を与えてくれる。
地中海を望むローマ教皇レオ13世の所有地に、1886年に建造された由緒あるホテル。ベルエポック様式のパレスは、貴族の社交場として一世を風靡した。それから1世紀以上の時を経て、2004年に全面改装。当時の優雅さを残しつつ、現代流のグラマラスなテイストがプラス された。なかでも注目なのが、2012年に作られた海水の温水プール。手掛けたのは、〈シャネル〉や〈フェンディ〉でクリエイティブ・ディレクターを務めてきたカール・ラガーフェルド。コンセプトは"上流階級のクチュール"。18枚のパネルを連ねたガラスのインスタレーションが存在感を放つ。これは、1850〜60年頃のギリシャで撮影された写真に、彼がデザインした衣装を身にまとった女神の画像を重ねた唯一無二の作品。プールでゆったりリッチな気分になったら、プール併設のロブションのレストランで食事を楽しみたい。
ADDRESS | 4, avenue de la Madone, BP19 Monte-Carlo, 98007, Monaco |
PHONE | +377-93-15-15-15 |
WEB-SITE | www.metropole.com |
16世紀後半にポルトガル人によって見出された楽園。1970年代にヒッピーたちが移り住むまでは、ほぼ忘れ去られていたというブラジルの漁村、トランコソ。この地に目をつけたのは、有名デニムブランドでクリエイティブ・ディレクターをしていたウィルバート・ダス。地元のアーティストとコラボレーションし、500年を経た家屋を伝統的な技法で修復。建材を再利用することで、再び息を吹きこんだ。どのカーサ(客室)もセミアウトドアのリビングやアンティークで飾られ、ほとんどがキッチン付き。2017年に登場した〈カーサ・ウィルバート〉は世界遺産のクアドラードに隣接、ホテルの敷地からは秘密の小道でアプローチする究極の隠れ家。
ADDRESS | Quadrado Trancoso,Bahia Brazil |
PHONE | +55-73-3668-2277 |
WEB-SITE | uxua.com |
始まりは、1953年。文豪などを誘いプライベートコテージ群を建築。27棟のヴィラとラルフ・ローレンがデザインしたパイナップルハウスからなる。マホガニーの四柱ベッドや布張りのソファを置き、あざやかなクッションが差し色に。1階はパティオ付き、2階はカリブ海の眺望が自慢。
ADDRESS | John Pringle Drive, P.O.Box 64 Montego Bay, Jamaica |
PHONE | +1-800-972-2159 |
WEB-SITE | www.roundhill.com |
ドミニカ共和国出身の故オスカー・デ・ラ・レンタが手掛けた唯一のホテル。美しい白砂ビーチに自然保護区の大自然、45ホールのゴルフコースなど、スケールがビッグ。13棟のヴィラはプランテーション様式。2017年からはじまった改装で、ホテルをブラッシュアップし、様々な最新機器も導入。
ADDRESS | Punta Cana,La Altagracia, Dominican Republic, 23302 |
PHONE | +1-809-959-8229 |
WEB-SITE | tortugabayhotel.com |
2018年6月に開業した6軒めのブルガリホテル。蘇州河の河畔に立つ48階建てタワーの上層階82室(内スイート19室)がホテル、下層部はレジデンスに。ミシュラン3つ星シェフが手掛けるイタリアンレストランも評判。
ADDRESS | 33 North Henan Road, Shanghai 200085, China |
PHONE | +86-21-3606-7788 |
WEB-SITE | www.bulgarihotels.com |
モンテ・ナポレオーネ通りの近く。95の客室はアルマーニのスタイルと哲学を体現。アルマーニ自身が自宅にいるような、くつろぎの空間に仕立てた。ライトなどをパネルで操作する最新機器も装備。食体験も充実。
ADDRESS | Via Manzoni 31, Milan, Italy |
PHONE | +39-02-8883-8381 |
WEB-SITE | www.armanihotelmilano.com |
文=古関千恵子
2018-09-14