世界には美しいビーチは数多くあるが、開発が進み、本来あるべき自然が失われている楽園も。しかし、まだ手つかずのパラダイスビーチはある。しかも、同じアジアだったら、知らないのはもったいない!
ミャンマーの玄関口ヤンゴンから空路約50分、ベンガル湾に面するガパリビーチ。イタリア人が「ナポリのように美しい!」と絶賛したことから名付けられたというビーチは、白く輝くシルバーサンドが約12㎞続くロングビーチ。
空港から南下する一本道は舗装されてはいるものの、こぶ牛を連れた農民やバイクタクシーが行き来し、道路脇には金ダライで豚肉の煮こみを売る屋台や、ビンロウのスタンドが立つ。アジアの原風景的な暮らしが残っている。リゾートエリアに隣接する漁村へ夜明けに訪れると、水揚げする漁船が浜にずらり。小魚を満載したバケツを天秤棒で運ぶ漁師や、浜に敷いたワラの上に小魚を撒いて干物を作る女性、働く彼らの胃袋を満たすためにちゃぶ台と釜を浜辺に持ちこみ麺を売るおばちゃん。早朝の浜は活気に満ちている。そんな素朴さが持ち味のビーチながら、上質なリゾートホテルもちゃんとあるのが嬉しいギャップ。派手な施設はないけれど、こぢんまりとした居心地のいい雰囲気のところばかり。
ただし、ガバリビーチへ行くなら急いで! 11~4月いっぱいまでがオンシーズン。季節限定であることも、そそられる。
HOTEL | Ngapali Bay Villas & Spa |
ADDRESS | jMyapyin Village, Ngapali,Thandwe District,Rakhine State, Myanmar. |
PHONE | +95-43-42301 |
ビーチランキングの上位をキープするラドハンガービーチがあるハブロック島。ここは、インドといっても、ベンガル湾とアンダマン海の境。どちらかというと、タイの方が近い。
南北約24km、東西約1kmの細長い島を縁取るのは、びっしりと茂るヤシの木。その密度の濃さは、島そのものの生命力を物語っているよう。ビーチは東海岸に集中。船着き場のある北端から順番に、ナンバー1、2、3……と番号でビーチを呼ぶのが特徴。唯一の町は、ナンバー3付近。町といっても、原付きバイクで5分もあれば走り抜けてしまう小ささ。
タイに近いとはいえ、行き交う女性のあざやかなサリー姿に、“やはりここはインドなのだ”と改めて気付かされる。一方、島を縦断した西海岸に位置する別名ナンバー7と呼ばれる島一番の美しいビーチが、ラドハンガービーチ。
大樹の林を抜けると、目の前に広がるのは、光を反射して自然発光しているようなシルバーサンドのビーチ。そして穏やかな遠浅の海が軽やかなブルーをたたえている。うーん、まさに絶景! ただし、このビーチに行くのはひと苦労。まずインドのチェンナイから空路でポートブレアへ。陸路、海路と乗り継いで、フライトによっては日をまたぐ。そんな遠路を押してまでも行く価値のある美ビーチだ。
HOTEL | Jalakara Private Villa Hotel |
ADDRESS | Jalakara, Village number 4, Havelock Island,Andaman and Nicobar Islands, India. |
enquiries@jalakara.info |
文=古関千恵子
photo by AFLO
2017-10-31