有村 昆が2019年の映画界を大胆予想!
“映画館の進化”と“作品のユニバース化”が止まらない!?
昨年のエンタメ界は、動画配信サービスが飛躍。劇場では『カメラを止めるな!』が大ヒットと、予想外の思わぬブームもありました。では、2019年はどうなるの? ということで、映画パーソナリティの有村 昆さんに、2019年の映画界について語ってもらった! キーワードは、“映画館の進化”と“作品のユニバース化”。これって一体どういう意味!?
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2019年の映画界を予測してみましょう。1つ言い切れることは、劇場が劇的に進化するということです! 今、ネットでの動画配信の勢いが止まりませんよね。恐らく今後、配信オリジナル映画がアカデミー賞にまでもノミネートされてくるわけです。そこで、劇場はどう対抗していかなきゃいけないか? スマホ画面との差別化はどう図ればよいのか? の対策を考えていかなければならない。僕の考える答えは、“集う”ことの面白さをアピールすることですよ。IMAX、ドルビーシネマ、4DXなどは、家では絶対に体感できません。手間暇かけてでも“集いたくなる”面白さを劇場で展開していけば、より盛り上がっていくと思いますよ。
最近、劇場では“応援上映”という企画で、“みんなで一緒に歌おう”みたいなことをしていますよね。あれは繋がりを求めているわけですよ。ネットがあれば、家で寝転がって観たい映画を手軽に観られるようになりました。じゃあ、次に何が欲しくなる? きっと、 “1人では楽しめない”ことをやりたくなるんですよ! みんなで劇場でペンライトを振るとか座席が動くとか、そういうアトラクション的なことに、世間はもっとシフトしていくと思いますね。
そうなると応援上映にぴったりなミュージカル映画って、時代にあっているのかもしれません。2018年は『グレイテスト・ショーマン』『ボヘミアン・ラプソディー』『アリー/スター誕生』がありました。そして2019年は『クリード2 炎の宿敵』が来ますよ! これはミュージカルじゃないですけど(笑)。でも、応援上映にはピッタリな作品です。ボクシングのシーンなんて、みんなで白いタオルを握りしめながら観るといいですよ(笑)。
次に、作品の傾向についても触れてみたいと思います。映画は今、ユニバースの時代です。たとえば、マーベル作品の『アベンジャーズ』は、複数の作品が同じ世界で展開しているわけです。どの作品も“マーベル・シネマティック・ユニバース”という世界の中で成立しているんですよ。そして、その流れが実は邦画にも押し寄せています。2月に公開される『七つの会議』という作品があります。これは原作が池井戸潤さんなんですが、その中に、『半沢直樹』で舞台となった東京中央銀行が出てきます。まさに池井戸ユニバースなんですよ!
映画『ホブス&ショウ』
今はどこの映画会社も“ユニバース化”を推しています。たとえば、わかりやすいところでいうと、〈ワーナー・ブラザース〉の『ファンタスティック・ビースト〜』が『ハリー・ポッター』のユニバース化ですよね。〈ソニー・ピクチャーズ〉はスパイダーマンの世界観の中で、ユニバース化を展開しようとしています。昨年は悪役を主人公にした『ヴェノム』が公開されましたよね。そして、〈ユニバーサル・スタジオ〉は古典モンスターを集結させる“ダーク・ユニバース”を考えていたみたいですが、頓挫したみたいです。でも、稼ぎ頭の『ワイルド・スピード』シリーズのスピンオフ作品『ホブス&ショウ』が2019年に公開します。これだけを見てみてもユニバース化がはじまるっていうのがわかりますよね。ハリウッド版『ゴジラ』は、2019年公開の続編の次にキングコングと戦うことになっています。これもユニバースでしょ?
映画館の進化と、ユニバース化が止まらない、というのが、2019年の映画界をリードするキーワードになると思います!
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<プロフィール>
有村昆:Kon Arimura
1976年マレーシア生まれ。年間約500本の映画を鑑賞し、最新作からB級映画まで幅広い見識がある映画コメンテーター。妻は、元キャスターの丸岡いずみ。
photo by AFLO